大学講義

学部(保健管理センター設置講座 講義場所:三田キャンパス)

(1)現代社会と医学Ⅰ「心身の健康維持のために」

春学期(三田)・秋学期(三田) 月曜4時限

コーディネーター 保健管理センター教授 森正明

德村光昭、横山裕一、広瀬 寛、牧野伸司、西村由貴、三戸麻子

【目的・内容】本講義ではこれからの人生で役に立つ医学的な知識を内科、小児科、精神神経科のそれぞれを専門とする保健管理センターの医師がオムニバス形式で提供する。人生の歩みの中で、病気や事故も似たところがあり、実態を知り、予防や治療の知識があれば、それを避けたり、被害を少なくしたりすることができる。この機会を利用して、健康と安全を図り、明るい未来を築く一助とする。

森正明

・オリエンテーション

・感染症(1):食中毒をはじめとする消化器感染症

・感染症(2):呼吸器感染症

・呼吸器疾患:喘息など

德村光昭

・薬物乱用:大麻・危険ドラッグ・ATSの医学知識

・小児感染症:麻しん・風しん

横山裕一

・飲酒の危険性

・消化器疾患:ヘリコバクタピロリ感染症、NASHなど

広瀬寛

・生活習慣病(1):肥満やメタボリックシンドロームなど

・生活習慣病(2):糖尿病

牧野伸司

・心臓疾患(1):AED(Automated External Defibrillator)について

・心臓疾患(2):心臓発作の予防(喫煙と飲酒の影響)

西村由貴

・精神神経疾患(1):社交恐怖、うつ病・うつ状態、適応障害など

・精神神経疾患(2):パーソナリティ障害、発達障害など

三戸麻子

・プレコンセプションケア(preconception care)

(2)現代社会と医学Ⅱ「現代社会とCommon Disease」

春学期(三田)・秋学期(三田) 火曜4時限

コーディネーター 保健管理センター准教授 和井内由充子

西村由貴、西村知泰、内田敬子、康井洋介、畔上達彦

【目的・内容】高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満、動脈硬化、脳卒中、心臓病、がんなどの病気は、運動不足、食べ過ぎ、喫煙、飲酒などの生活習慣との関連が強いことから生活習慣病と呼ばれている。不健康な生活習慣は老化を促進し、死亡率が高くなるといわれている。また、ストレスの多い現代社会では関連する精神疾患の増加も問題となっており、職場でのストレスチェックも義務化された。さらに、結核、インフルエンザ、性感染症などの古くからある感染症に加え、エイズや、SARS、鳥インフルエンザなど新しい感染症が出現し、国境を越えて日本に入ってきている。若いときから、これらのよくある病気(Common Disease)について知り、それらを予防するための健康的な生活習慣を理解し、実践するための保健教育の意義はますます大きくなっていると考える。また女性では、無理なダイエットから体を壊すことがあり、正しい栄養の知識が重要である。アレルギー疾患や予防接種の知識も将来の育児の際に役立つことだろう。なお、将来の進路に医療、製薬、介護、食品などhealthcare関連企業を選択する人には、そのためのイントロダクションとなる。下記の講義内容に関し保健管理センターの各専門医がオムニバス形式で講義を行う。なお、春学期と秋学期は一部を除きほぼ同内容。

和井内由充子

・イントロダクション、心肺蘇生

・虚血性心疾患

西村由貴

・精神保健Ⅰ

・精神保健Ⅱ

西村知泰

・感染症Ⅰ

・感染症Ⅱ

・呼吸器疾患

内田敬子

・先天異常の現代医学

・ライフステージ別栄養学

康井洋介

・アレルギー疾患

・予防接種

畔上達彦

・肥満、メタボリックシンドローム

・高血圧、糖尿病、脂質異常症

学部(体育研究所設置講座 講義場所:日吉キャンパス)

「体育学講義―健康と運動の科学」

秋学期(日吉) 木曜4時限

コーディネーター 体育研究所教授 山内 賢、保健管理センター准教授 井ノ口美香子

山内 賢、奥山靜代、横山裕一、井ノ口美香子、有馬ふじ代、武田彩乃、三戸麻子

【目的・内容】様々な疾病と健康と運動に関する知識についてオムニバス形式の授業により理解を深める。保健管理センターの教員が現代社会の疾病状況についての知見を講義する。そして、体育研究所の教員が健康の維持・増進の秘訣とトレーニングの科学的基礎知識を展開する。

山内 賢、奥山靜代

・運動実施の効果

・トレーニング方法とその評価

・スポーツ、運動実施上の安全管理

・運動のエネルギー供給のメカニズム

・筋の構造と筋力発揮のメカニズム

・運動時の呼吸循環のメカニズム

横山裕一

・飲酒の害

井ノ口美香子

・内分泌代謝疾患

・小児の肥満、生活習慣病

有馬ふじ代

・脳疾患、てんかん

・発達障害

武田彩乃

・麻薬と依存症

・高血圧

三戸麻子

・妊娠・出産のための知識

学部(医学部講座 講義場所:信濃町キャンパス)

「感染症学」

春学期(信濃町)・秋学期(信濃町)月曜1時限他

長谷川直樹、横山裕一、新庄正宜、森 毅彦、西村知泰、入野誠之、藤原 宏、上蓑義典、宇野俊介

【目的・内容】一連の講義を通して、臨床的に重要な感染症を理解し、正しい診断、治療法を習得する。また、感染制御の視点から感染症を捉え、感染対策の基本を学び臨床にて実践できるようにする。春学期と秋学期は一部を除きほぼ同じ教員が担当し、ほぼ同じ内容である。

長谷川直樹

・感染症の病態生理、抗菌化学療法の基礎

・呼吸器感染症、咽頭感染症

・真菌感染症

・医療関連感染と対策、耐性菌感染症、感染制御チームの役割

横山裕一

・消化管感染症、食中毒、Clostridium difficile感染症

・職業感染対策と保健管理センターの役割

新庄正宜

・ウイルス感染症とその感染対策

・ワクチン

森毅彦

・抗がん化学療法と感染症、免疫不全状態における感染症

西村知泰

・結核と非結核性抗酸菌症

・感染症法と現代の感染症、輸入感染症、新興・再興感染症

入野誠之

・手術部位関連感染、外科感染症

藤原宏

・HIV感染症

上蓑義典

・微生物学的検査

・感染性心内膜炎、血流感染症(カテーテル関連血流感染症を含む)

・性感染症、尿路感染症

宇野俊介

・抗菌化学療法各論

・中枢神経系感染症、皮膚・軟部組織感染症、骨・関節感染症

・蚊・ダニ媒介感染症

学部(医学部講座 講義場所:信濃町キャンパス)

「小児科学」

春学期(信濃町) 金曜3時限他

高橋孝雄、德村光昭、長谷川奉延、山岸敬幸、小崎健次郎、新庄正宜、関口進一郎、嶋田博之、肥沼悟郎、森田久美子、石井智弘、飛彈麻里子、有光威志、鴇田夏子、武内俊樹、福島裕之、幡谷浩史、前田 潤

【目的・内容】患者の病態を正しく把握し、適切な治療方針が立てられるよう診断、治療に至る重要な原則、成長期にある小児に特有な生理、栄養、発育について学び、健全な小児の育成に必要な事項を理解する。出生前の胎児期からはじまる「周産期・小児医療」として先天異常や慢性疾患を持つ小児の成長、発達、そして「成育医療」について考える。

德村光昭

・小児保健、学校保健

学部(看護医療学部講座 講義場所:信濃町キャンパス)

「慢性期病態学 呼吸器疾患」

春学期(信濃町) 水曜2時限他

森 正明、西尾和三、中村守男

【目的・内容】内科領域の呼吸器疾患を理解するために、呼吸器の解剖、生理、診断、疾患各論について学ぶ。

森正明

・呼吸器の解剖と生理

・呼吸器疾患の検査と診断

西尾和三

・呼吸器疾患各論Ⅰ

中村守男

・呼吸器疾患各論Ⅱ

学部(学生総合センター設置科目 場所:全キャンパス)

「大学生活における責任と危機管理」

春学期前期・春学期後期・秋学期前期・秋学期後期 (全地区:e-learning)

横山裕一、西村由貴、西田公昭、濱田庸子、根本 彰、神田武志、矢田部菜穂子、堀 成美

【目的・内容】昨今の社会情勢、生活環境変化、テクノロジーの進歩により、大学生が遭遇する危機は多様化している。本講義では、大学生が陥る危険性の高いトラブルの現状や対策について医学、法学、社会学的観点からの解説を行う。

横山裕一

・飲酒事故予防のために

西村由貴

・薬物乱用と問題使用

西田公昭

・マインド・コントロール

濱田庸子

・大学のメンタルヘルス~ストレスとうまくつきあうために

根本彰

・ネットリテラシーを身につける

神田武志

・生活習慣病の予防のために

矢田部菜穂子

・ハラスメントのないキャンパスを~快適で充実した学生生活を送るために

堀成美

・性の健康管理

通信教育課程(夏期スクーリング 講義場所:日吉キャンパス)

(1)「小児感染症・小児のやせ」

德村光昭

【目的】現代では小児感染症の麻疹、風疹が成人を中心に流行している。その実態や予防について学ぶ。合わせて、低年齢化している神経性やせ症について解説する。

(2)「虚血性心疾患

和井内由充子

【目的】虚血性心疾患は生活習慣病の最終的直接死因のひとつであり、突然死の原因としても重要である。その病態、予防、緊急時の処置について学ぶ。

(3)「感染症」

森正明

【目的】インフルエンザ、結核、食中毒など、日頃、健康な人でも注意が必要な感染症の予防や治療について学ぶ。

(4)「飲酒の功罪」

横山裕一

【目的】飲酒と健康には密接な関係がある。飲酒が身体に与える急性と慢性の影響およびその個人差を示し、適正飲酒、即ち健康的な飲酒とは何かを解説する。

(5)「糖尿病と高血圧」

広瀬寛

【目的】最近のライフスタイルの変化が、糖尿病や高血圧を増加させている。これら生活習慣病の正しい理解とその予防・治療について学ぶ。

なお、講義のほかに通年レポート添削を、上記教員および牧野伸司・井ノ口美香子・西村知泰・武田彩乃・内田敬子・康井洋介が行っている。

他大学講義(東京工業大学 科学技術創成研究院生命科学研究所講演会 講義場所:同大すずかけ台キャンパス)

「レチノイン酸から紐解く、アルコール、ピロリ、メタボ」

2019年10月10日 14時30分~16時30分

横山裕一

【目的・内容】アルコールの一種であるビタミンAが代謝されて形成されるレチノイン酸は種々の遺伝子発現の調節を行い、生命活動を司っている。同分子動態の変化が過剰飲酒に伴う発癌の発症に関与するという講演者の研究成果に加え、講演者が近年研究対象としているヘリコバクタピロリ菌感染症やメタボリックシンドロームの進展にも同分子が関与しているという最新の知見を解説する。