【在宅勤務における健康管理】
飲酒・喫煙

Date:2020.12.15


新型コロナウイルス感染症や流行による外出自粛等により、ストレスを感じることがあると思いますが、その発散方法として、飲酒や喫煙をしてしまう人が増加しています。大きな災害の後では、お酒やタバコの量が増えたり、いつも飲まない人でも飲むようになったりすることがよくあります。

アルコールは適量に

長期間の大量飲酒は、高血圧、糖尿病、高脂肪(中性脂肪)血症などの原因となり、睡眠障害を起こし、また、アルコール依存症に陥ってしまう危険性を孕んでいます。コロナ禍の今、在宅勤務の方もおられると思いますが、在宅勤務で飲酒をする場合、勤務終了直後から飲み始めることができるので、飲酒開始時間が早まり、終電を気にする必要がないため、遅くまで飲めることから飲酒時間が長くなり、その結果飲酒量が増える可能性があるので注意が必要です。

厚労省は、適正飲酒として、1日の飲酒量をエタノール換算で 20グラム以内にすることを推奨しています。このエタノール 20 グラムはビール(5%)ならロング缶1本(500mL)、日本酒 (14%の場合)なら1合(180mL)、ワイン(12%)ならグラス2杯弱(200mL)、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ (40%)なら原液60mL弱 程度です。これを目安に飲むようにしてください。

予め飲酒時間を決めておくことは重要です。可能なら、週に数日、お酒を飲まない休肝日を作りましょう。お酒を買いだめしておくと、ついつい飲酒量が増えてしまいます。毎日の飲む量を決めて、それを買いに出かけるなどの工夫をすると良いかもしれません。

自分、家族、周りの人を守るために、禁煙しましょう

喫煙も様々な病気を引き起こす原因となり、新型コロナウイルス感染症においては重症化しやすい因子と言われています。国の政策等により、家の外では喫煙場所が制限されていますが、家の中ではその制限がありません。外出自粛や在宅勤務で家にいる時間が増え、手軽に喫煙ができてしまう家では、タバコが吸いやすい環境といえます。

家やベランダ等でタバコを吸うと、一緒に暮らす家族がその煙にさらされます。また、隣家へ煙が広がり、においや受動喫煙のトラブルが発生することもあります。自分の意思とは関係なくタバコの煙を吸い込んでしまうことを「受動喫煙」と言い、受動喫煙によっても様々な病気のリスクが高まります。あなたの喫煙による受動喫煙で周囲の人たちの健康被害が懸念されます。

ご自分とご家族、周りの人を守るため、この機会に禁煙しましょう。禁煙しようと思っても、なかなかやめられない方は、禁煙外来の受診をお勧めします。



(慶應義塾大学保健管理センター 保健師 弦巻美保)