【在宅勤務における健康管理】
家庭でできる感染対策

自分のため、みんなのため、そして大切な人のために、一人ひとりができることをしっかりやりましょう。新型コロナウイルス感染症は、人から人に感染し拡大するので、不要不急の外出を控え、やむを得ず外出する場合には、三密(密閉、密接、密集)を避けてください。また、こまめな手洗いと咳エチケットなどの感染対策を十分に行うことが重要です。

家族が新型コロナウイルスに感染した場合、または感染が疑われる場合

感染者との接触(空間、時間)を減らすことが重要です。感染者が療養する部屋と他の家族がいる部屋をできる限り分けます。感染者の行動を制限し、他の家族との接触を減らすことが大切です。部屋を分けられない場合は、感染者から少なくとも2 m以上の距離を保ち、仕切りやカーテンなどを設置して、ウイルスの飛沫を防ぎます。また、定期的に換気をし、部屋の空気を入れ替えます。自宅においても、感染者と家族の両者がマスクを着用することで、ウイルスが広がることを防ぐことができます。マスクを外す際は、表面にウイルスが付着している恐れがあるので、表面には触れずにゴムやひもをつまんで外します。ウイルスのついた手で、目や鼻、口などを触ると、粘膜や結膜を通して感染することがあります。マスクを外した後はもちろんのこと、こまめに石鹸で手を洗うか、アルコールで手指を消毒します。また、物に付着したウイルスはしばらく生存するので、ドアの取っ手などの共有部分は、薄めた家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きします。

※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(漂白剤原液の濃度が6%の場合、水3 Lに対して原液を25 mL)になるように希釈します。


タオル、衣類、食器などを感染者と共用しないでください。これらは通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染者の使用した物を分けて洗う必要もありません。新型コロナウイルス感染症では下痢がみられることがあり、糞便からウイルスが検出されることがあります。体液で汚れた衣服、リネンを扱う際は、手袋とマスクをつけ、家庭用洗剤を使用して洗濯機で洗い、完全に乾かしてください。 なお、鼻をかんだティッシュにもウイルスがついているので、感染者が鼻をかんだ後のティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。

感染者の家族や同居している人は、無症状でも既に感染している可能性があります。感染者の症状が軽快してから14日間経過するまでは、健康状態を観察することが必要です。周りに広めないように、慎重に行動してください。



(慶應義塾大学保健管理センター保健師 弦巻美保)