【在宅勤務における健康管理】
運動

在宅勤務や外出自粛で体を動かす機会が減り、運動不足を感じている方が多いと思います。これまでの生活で毎日行ってきた通勤という活動が無くなり1日の歩数が減り、加えて長時間座り続けることで足腰の筋肉量が減少し、基礎代謝量の低下につながります。運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクを増加させるだけでなく、気分の落ち込みなどメンタルヘルスにも影響を及ぼします。

まずは、これまで通勤に使っていた時間帯を運動の時間に変えてみてはいかがでしょうか。下記を参考に、今までと変わらない活動量が維持できるよう心がけてください。

自宅での運動

1.ラジオ体操

ラジオ体操第1は、体全体の筋肉をほぐして柔軟性を取り戻すことで、血行促進・肩こり緩和・背骨や腰のゆがみ対策が期待できます。ラジオ体操第2は、筋力を強化することにポイントが置かれ、運動強度は第1より強くなっています。第1、第2体操合わせて約6分半の運動の中に、全身をまんべんなく動かすプログラムが組み込まれており、効率的に身体を動かすことができます。


2.スクワット

在宅勤務のため、使う頻度が減った下肢全体を鍛えることができ、筋力維持に効果が期待できます。

  1. 肩幅に開いた足をハの字に開き、背筋を伸ばし、両腕を前に伸ばす。
  2. つま先と膝が同じ方向に曲がることを確認しながら、3秒間で椅子に座るように膝を曲げ、1秒間姿勢を 保持する。 この時、下を向かず正面を見る。
  3. 3秒間で元の姿勢に戻す。
なお、膝を痛めないために、尻を後ろに引いて上体をやや前傾にして、膝がつま先より前に出ないように注意してください。


3.ストレッチング

固くなった関節や筋肉をほぐし、血液循環を改善させる効果に加え、最近ではリラクゼーション効果もあると言われています。ポイントとして、「時間は最低20秒」、「伸ばす筋肉や部位を意識する」、「痛くなく気持ち良い程度に伸ばす」、「呼吸を止めないように意識する」ことが重要です。

他にも、スポーツクラブなどがオンラインでヨガや筋力トレーニングなどのレッスン動画の配信を行っていますので、ご自分に合ったやり方を見つけてみてはいかがでしょうか。

屋外での運動

「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(2020年4月11日付)では、屋外での運動や散歩などは外出自粛の対象とならないことから、人が密集しない場所や時間帯を選んだ上で取り入れるのもよいでしょう。より効果的なウォーキングのポイントとして、「視線は遠くに顎は引く」、「肩の力を抜く」、「背筋を伸ばす」、「胸を張る」、「腕は前後に大きく振る」、「脚を伸ばす」、「歩幅は出来るだけ広くとる」、「かかとから着地する」ことが重要です。なお、基礎疾患のある方は、無理をせず主治医に相談の上実施してください。



(慶應義塾大学保健管理センター 保健師 中根菜津子)