【休校期間中の過ごし方(中高生版)】
睡眠・リラクゼーション

睡眠には、心身を休養させ、脳と体の機能を整える働きがあります。睡眠リズムの乱れは、肥満、便秘・下痢、頭痛、立ちくらみなどの体の問題、やる気が出ない、気分が落ち込むなどの心の問題、それに伴う生活・学習の問題につながります。

睡眠のリズムが乱れがちな今、起立性調節障害にも注意が必要です。起立性調節障害とは、体の調節機能がうまく働かず、立ちくらみ、朝起きづらい、体がだるい、頭痛などの症状が出る病気で、中高生に比較的多く見られます。もともとこのような症状がある人は、一層規則正しい生活を意識しましょう。症状悪化の予防になります。

乱れた睡眠リズムを戻す方法として、就寝時間に関わらず毎朝同じ時間に起き、目覚めに太陽光を浴びることが薦められています。睡眠を促すメラトニンというホルモンは、光を浴びてから14~16時間後に分泌され始め、分泌量が増えるとともに眠気を感じるようになります。このため、朝に光を浴びると夜に眠くなるようになり、規則正しい睡眠リズムをつくることができます。それに加えて「規則正しい食事」、「日中の適度な運動」を心がけると活動のリズムにメリハリをつけることができ、睡眠リズムが整いやすくなります。また、寝る前にスマートフォンなどの明るい光を見ると眠りづらくなったり、眠りの質が下がったりすることがあります。寝る前のスマーフォン操作は避けましょう。

学校が再開したときに、朝起きられない、授業中居眠りするということがないよう、睡眠リズムの乱れを修正しておきましょう。

リラクゼーション法

イライラした時、気分が沈む時、ストレスを感じた時は、呼吸をコントロールして姿勢を整えることで、気分が落ち着きます。


「吸う息1:吐く息2」呼吸法

  1. 姿勢を正しくします(お腹に両手をあてておくと、お腹のふくらみや、へこみがわかりやすいです)。
  2. 胸を広げるようにしながら、鼻から3秒かけて息を大きく吸い込みます。その時、お腹をふくらませるようにします。
  3. 息は一気に吐かず、お腹をへこませながら、ゆっくりと6秒かけて口から細く長く息を吐きます。
  4. これを繰り返します。

姿勢と呼吸

体の中心を意識してよい姿勢を心がけましょう。姿勢をよくすることで、背筋が伸びて胸が広がり、深い呼吸ができるようになります。浅い呼吸は不安やストレスを感じやすくなるといわれています。よい姿勢で深い呼吸を意識することで、体の血流がよくなり、心も体もリラックスできます。


笑い

笑いはストレス解消にも免疫力アップにも効果的といわれています。「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」(ウィリアム・ジェームズ)の言葉のように、こんな時こそ笑顔で過ごすよう心がけましょう。



(慶應義塾大学保健管理センター・慶應義塾高等学校保健室 牟田口絵里)