【休校期間中の過ごし方(小学生版)】
"気持ち"との付き合い方

わたしたちは今、新型コロナウイルスの広がりによって、今までとはすこしちがう生活を送っています。外に出ないで家で過ごす時間が長くなり、家族も家で仕事をしていたりすることもあります。家族がずっといっしょにいることは、うれしいことではありますが、ずっと一緒に家で生活していると、時にはイライラしてけんかをしてしまったり、物に当たったりしてしまうこともあるでしょう。あるいは、ひとりで、お留守番する時間がある場合もあるでしょう。そんな時に、急にさびしくなったり、悲しくなったりすることがあるかもしれません。これからどうなるのか心配になったり、そわそわ落ち着かなかったりすることもあるでしょう。ずっと家の中にいて、毎日のように病気やウイルスの話を家族がしていたり、暗いニュースばかりだと、だれだってあきあきして、うんざりしたり、悲しい気持ちになるでしょう。それは、あなたが弱いからではありません。ましてやあなたが悪いからでもありません。そんな気持ちが出てきたときには、まず大きく"深呼吸"してみましょう。そして、そんな気持ちがよく出てくるようならば、その気持ちをだれかに話してみましょう。子どもも大人も、きっとみんな同じような気持ちを持っていて、一緒にわかり合えると、少し心が軽くなるでしょう。


あるいは、あなたの気持ちは、もっとモヤモヤとしていて言葉にならないかもしれません。そんなときには、音楽をかけてダンスをしてみたり、絵をかいて気持ちを表してみたりしてみるのもいいですね。前に好きだったおもちゃや絵本を開いてみるのも、気持ちをやわらげるのに役立つでしょう。


また、いやな気持ちが大きくならないように、ふだんからいろいろ工夫してみましょう。1日に1回くらい、家のまわりをお散歩したり、なわとびやボールなど自分の持っているものを使って人の少ない場所で遊んだりすることも大切です。音楽をききながら体を動かしたり、ストレッチやヨガなど新しいものに挑戦してみたりするのもいいですね。あるいは、工作、習字など何かに熱中することで、心が落ち着くこともあります。そして、お家でお料理やおそうじをするのも気分が変わります。また、お家の人にも喜ばれるでしょう。


なかなか人と会うことはできなくても、自然にはふれられます。草花をながめたり、さわったり、昆虫を観察したりするのも心が休まります。雲をながめたり、鳥のさえずりをきいたりして、ふだん気づかなかったゆったりした時間の流れを感じるなど、大発見があるかもしれません。



(慶應義塾横浜初等部・普通部・中等部保健室 カウンセラー 小野田 暁子)