【休校期間中の過ごし方(中高生版)】
長時間の勉強・VDT作業

「VDT作業」という言葉を聞いたことがありますか?VDT作業とは、ディスプレイ、キーボードなどにより構成されるVDT(Visual Display Terminal)機器を使用した作業のことです。

臨時休校中の学習においてオンライン授業でパソコンを使用している方も多いかと思います。決められた時間割がない中、長時間同じ姿勢で勉強を続けていたり、VDT作業を続けていたりすると、肩こりや腰痛、目の疲れ、ドライアイ、物がぼやけて見えるなどの症状が出やすくなります。快適に勉強やVDT作業を続けるために、次のようなことに気をつけましょう。

乱れた睡眠リズムを戻す方法として、就寝時間に関わらず毎朝同じ時間に起き、目覚めに太陽光を浴びることが薦められています。睡眠を促すメラトニンというホルモンは、光を浴びてから14~16時間後に分泌され始め、分泌量が増えるとともに眠気を感じるようになります。このため、朝に光を浴びると夜に眠くなるようになり、規則正しい睡眠リズムをつくることができます。それに加えて「規則正しい食事」、「日中の適度な運動」を心がけると活動のリズムにメリハリをつけることができ、睡眠リズムが整いやすくなります。また、寝る前にスマートフォンなどの明るい光を見ると眠りづらくなったり、眠りの質が下がったりすることがあります。寝る前のスマーフォン操作は避けましょう。


  1. 室内は明るくし、ディスプレイだけが明る過ぎたりまぶし過ぎたりしないようにしましょう。
  2. 勉強・VDT作業を行う時は、机と椅子の位置を調整し、姿勢が崩れないよう気を付けましょう。
  3. ディスプレイ画面に太陽光などが入りこまないよう、必要に応じてブラインドやカーテンを使用しましょう。
  4. 勉強・VDT作業は1時間を超えないようにしましょう。続けて勉強やVDT作業を行う場合は、10分程度の休憩時間を設けましょう。
  5. 休憩時間には、ストレッチや筋トレなど自宅の中でできる運動を取り入れてみましょう。予め自分で時間割を作り、勉強の時間と運動の時間を設けることも、メリハリのある生活につながります。
  6. 窓を開けて深呼吸すると気持ちがリフレッシュできるので取り入れてみましょう。
  7. 勉強やVDT作業によって目が疲れてきた場合は、必ず休憩を取りましょう。この時、しばらく目を閉じたり、やけどに注意しながらホットタオルなどで目の周囲を温めたりすることも目の疲れをとる方法として有効です。

VDTには、パソコン以外にもスマートフォンやゲーム機器なども含まれます。夜遅くまで作業を続けたり、布団の中でスマートフォンを見たりすることは睡眠の質にも影響を与えるのでやめましょう。就寝予定時間の1時間前にはVDT作業を止め、お風呂に入ったりストレッチをしたりする事などを生活習慣に取り入れてみましょう。


自宅で過ごす時間は自分次第で無限の可能性を持つ貴重な時間です。その時間をスマートフォンやゲームに充てるのではなく、本を読む、料理を作る、家族とのコミュニケーションなどに充てましょう。生活のリズムを整えて健康的な生活を続け、学校が始まったら元気な姿を見せてください。再び学校でお会いできることを楽しみにしています。



(慶應義塾大学保健管理センター・慶應義塾女子高等学校保健室 片岡真有子)