【休校期間中の過ごし方(中高生版)】
"気持ち"との付き合い方

今、あなたは、どんな気持ちでしょう。私たちは今、新型コロナウイルスの広がりによって、いつもとは少し違う日常を生きています。こんな時、私たちの心もいつもとは少しだけ違う状態になります。ストレス反応と呼ばれるものです。イライラすることはありませんか?孤独や寂しさは感じませんか?不安や焦りはありませんか?ずっと家の中にいて、毎日のように不穏なニュースにさらされれば、誰だって心穏やかではいられません。あなたが弱いからではありません。ましてやあなたが悪いからでもありません。その気持ちを誰かに話してみましょう。きっとみんな同じ様な気持ちを抱えています。

あるいは、今、あなたの気持ちは、もっと漠然としていて言葉にならないかもしれません。心に何かが引っ掛かっていて、漠然と不安で、そわそわと落ち着かない、そんな気持ちかもしれません。そんな時は、ゆっくりと呼吸をしながら、少しだけ自分の気持ちにフォーカスしてみましょう。そして、静かにその気持ちに寄り添ってみましょう。それは気持ちというよりも、体の感覚に近いものかもしれません。それから心の中を少しだけ整理しましょう。


ここでは簡単なワークを紹介します。少し大きめの紙を用意します。そこに、あなたの心の中にある関心事(不安なことも楽しみなことも)をすべて書き込んでください。これは外在化と呼ばれる心理学の技法を応用したワークです。大きな関心事は大きく、小さな関心事は小さく。不安なことだけでなく、楽しみなこともワクワクしながら書き込みます。大切なのは、あなたの心の中にある関心事をすべて視覚化して取りだすことです。クレヨンや色鉛筆で、あなたの心に彩りを添えるのも良いでしょう。このワークは、それまであなたの心の中にあった、漠然とした不安やソワソワした感覚の正体を少し明らかにしてくれます。それに不思議なことに書くだけで気持ちがずっと楽になります。そして少し前向きな気分になれるはずです。


とはいえ、私たちは今、様々なストレスにさらされています。こんな時は気晴らしをしたり、身体を動かしたりすることも、気持ちの整理にはとても大切です。ここで紹介したワークもぜひ楽しみながら取り組んでみてください。きっと何か新しい発見があるはずです。



(慶應義塾湘南藤沢中高等部保健室・慶應義塾横浜初等部保健室 カウンセラー 貞安 元)
(慶應義塾湘南藤沢中高等部保健室 カウンセラー 志村優子)