応急処置の方法

切傷

  • ・傷口が汚れている場合は流水で洗い流す。
  • ・傷口を確認し、清潔なガーゼやタオルで圧迫し止血する。
  • ・可能ならば傷口を心臓よりも高い位置に保つ。

⇒頭を強く打った場合は脳神経外科を受診する。
⇒傷が深い場合は形成外科又は外科を受診する。

<圧迫止血法>
傷口を直接、きれいなガーゼやハンカチを当て、強くおさえます。
感染防止のため、血液に直接触れないように注意してください。
ビニール・ゴム手袋がなければビニールの買い物袋などを利用する方法もあります。

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やけど

  • ・速やかに冷却を開始する。冷却には水道水や冷水に浸したタオルなどを用いる。30分以上冷却を続けることが望ましい。
  • ・衣類を脱がせられない場合は、無理に脱がせず、冷却は衣類の上から行う。
  • ・水ぶくれができた場合は、感染の原因になるのでつぶさない。

⇒重症の場合は冷却を続けながら皮膚科を受診する。

  • ・化学薬品がかかった場合には、大量の水で洗浄する。
  • ・水によって発熱する化学薬品がかかった場合には、速やかに乾いた布でふき取り、大量の水で洗い流す。

⇒皮膚科を受診する。

骨折

  • ・無理に動かさないようにし、添え木などで固定、冷却する。
  • ・骨が露出している場合や出血している場合は清潔なガーゼやタオルで止血する。

⇒整形外科を受診する。

<固定の方法>

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脱臼

  • ・患部を無理に動かさず、絶対にもとに戻そうとしない。添え木などで固定、冷却する。

⇒整形外科を受診する。

ねんざ

  • ・患部を無理に動かさないで冷却する。
  • ・可能であれば添え木などで固定する。

⇒整形外科を受診する。

歯が折れた・抜けた

  • ・歯が折れた場合は、すぐに歯科又は歯科口腔外科を受診する(受傷の際に折れた破片があれば持参する。
  • ・歯が抜けた場合は、速やかに歯科又は歯科口腔外科を受診する。歯根膜を損傷する恐れがあるため、抜けた歯の根の部分に触れない。抜けた歯は生理食塩水もしくは牛乳に保存するか、口腔中(頬と歯茎の間)で保存して受診先に持参する。場合によっては、その歯を戻せる可能性がある。
  • ・口の中の怪我の場合は歯科口腔外科を受診する。

目に異物が入った

  • ・大量の水で目をよく洗う。容器に水道水を汲み、顔をつけて、瞬きを繰り返す。
  • ・化学薬品が入った場合は、容器の水道水を何度も交換し、よく洗う。

⇒洗浄後も痛みや違和感が残ったり、化学薬品が目に入った場合は必ず眼科を受診する。

目に物をぶつけた

⇒眼科を受診する。

⇒頭を強く打った場合は脳神経外科を受診する。

虫刺され

  • ・刺された箇所を水道水でよく洗う。蜂に刺された場合は毛抜きや指ではじいて針を取る。
  • ・毛虫の場合、絆創膏等のテープで刺し針を取り、患部抗ヒスタミン軟膏を塗布する。

⇒腫れや熱感、痛みが続く場合には、皮膚科を受診する。

  • ・刺されて数十分以内に呼吸困難、冷汗が出現した場合、けいれん意識障害等の重篤なショック症状が出現した人がいたら、救急車を要請し病院を受診する。
  • ・短時間に複数箇所刺された場合も救急車を要請する。

刺し傷

  • ・釘が刺さった場合には、釘を抜き、患部を水道水でよく洗浄し、清潔なガーゼで保護する。破傷風菌への感染の可能性があるので、速やかに外科を受診する。
  • ・深く刺し傷の場合には、刺さったものを抜かない。速やかに外科を受診する。

熱中症

  • ・意識がもうろうとしていれば救急車を呼ぶ。
  • ・救急車到着を待たずに、とにかく冷やす!(太い血管が通っている場所が効果的)
  • ・意識があれば、涼しい場所で、少しずつ水分補給する。
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ハチ刺傷

  • ・ハチの針が残っている場合は、ピンセット等でそっと針の部分を持って引き抜く。手持ちが無い場合は、硬いカード状のもので横から払うように針を取り除く。決して指でつままない。
  • ・傷口を流水でよく洗い流す。ハチ毒は水に溶けやすいので、傷口から毒をしぼり出すように、もみながら流水で洗い流す。
  • ・抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏などがあれば塗布する。
  • ・患部を冷やす。

⇒皮膚科を受診する。アナフィラキシー様症状が見られる場合は救急車を要請する。

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アブ刺傷

  • ・傷口を流水でよく洗い流し、血をしぼり出すようにする。
  • ・止血した後は抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏などあれば塗布する。
  • ・患部を冷やす。

⇒皮膚科を受診する。

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アリ咬傷

  • ・傷口を流水でよく洗い流す。
  • ・抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏などがあれば塗布する。
  • ・患部を冷やす。

⇒皮膚科を受診する。

ヒアリについては、環境省のサイトをご参照ください

ヘビ咬傷

  • ・傷口を流水でよく洗い流す。
  • ・傷口より上部の心臓に近い部分をハンカチやタオルなど(止血帯)でしっかりしばる。しばった部分は見えるようにしておく。止血帯は装着して20~30分以内に必ず1回ゆるめる。
  • ・患者を安静にさせ、患部は動かさないようにする。
  • ・患部近くに指輪、腕時計、きつい衣類がある場合は患部から取り除く。

⇒救急外来を受診する。

クモ刺咬傷

  • ・傷口を流水でよく洗い流す。
  • ・患部を冷やす。
  • ・患部を心臓より高い位置に上げる。

⇒救急外来を受診する。

【セアカゴケグモ】噛まれたら、止血帯や包帯はせず、救急外来受診を!
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アナフィラキシーショック

  • ・意識障害、息が苦しい(のどが詰まった感じ)、まぶたや唇のむくみ、血圧低下などのアナフィラキシーの徴候や症状が見られたら救急車を要請する。
  • ・患者がエピペンを持っている場合は、本人が出来るようならやらせる。エピペンは太もも前外側の筋肉へ注射する。緊急時は服の上からでも可能。

⇒使用したエピペンは救急隊へ渡す。

〈エピペンの使い方〉

  1. カバーキャップを開け、安全キャップを取り外す。
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  2. エピペンを太ももの前外側に垂直になるようにし、オレンジ色のニードルカバーの先端を「カチッ」と音がするまで強く押し続ける。太ももに押し付けたまま10秒間待つ。その後、ゆっくり垂直に抜く。
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  3. 注射後、オレンジ色のニードルカバーが伸びているかどうかを確認する。ニードルカバーが伸びていれば注射は完了となる(針はニードルカバー内にある)。
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