過換気症候群
(Hyperventilation syndrome)

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 過換気症候群(過呼吸症候群ともいわれます)は、何かのきっかけで、急に息が吸いにくくなり、胸が苦しくなってきて、徐々に様々な症状があらわれる「過換気発作」を起こす疾患です。比較的若い女性に多くみられ、几帳面や心配性な性格の人に多いとも言われています。
 ヒトは急に息が吸いにくくなって息苦しくなると、不安が生じて、浅くて速い呼吸になります。その結果、体内の二酸化炭素が減りすぎて体がアルカリ性になり、様々な症状が出てくるのです。症状が出てくると、益々不安が強くなって、浅く速い呼吸を続けるといった"悪循環"に陥ってしまう、それが過換気発作です。そして過換気発作が繰り返し起こる疾患が過換気症候群です。

【過換気発作が起こるきっかけ】

過換気発作は次のようなことをきっかけに起こるといわれています。

  1. 激しい運動や疲労、睡眠不足
  2. 発熱などの身体的要因
  3. 不安、緊張、恐怖などの心理的要因

【過換気症候群の症状】

 何らかのきっかけで過換気発作が起こると次のような症状が、徐々に現れます。

 息が吸えなくて窒息しそうな、息苦しさが生じる
 ⇒呼吸が早くなったり、荒くなったりする。同時に胸がドキドキしてくる
 ⇒めまいや頭痛、ふらつきを感じる
 ⇒しびれや吐き気がする
 ⇒まれに意識を失ったり、けいれんする

【過換気発作の対処法】

 過換気発作は、ある程度の時間(一般には30分~1時間程度)で収まりますし、命を落とすようなことはありません。なので、まずは本人を落ち着つかせることが大事です。できるだけゆっくり呼吸をするように声をかけたり、本人が安心するように話かけたり体をさすったりすることも有効です。かつては、発作の時に口に袋を当てて、吐いた息をまた吸わせるようにしていましたが、この方法だと酸素不足や体内の二酸化炭素が過剰になってしまい、かえって危険なので最近では行われていません。

【発作がない時の治療】

 過換気発作が、心臓や呼吸器の疾患あるいはパニック障害などの症状として起こっている場合があり、このようなときには、もともとの疾患の治療が必要です。特にそのような疾患がない場合には、過換気発作を起こすきっかけをつくらないために、日ごろから体調管理に努めることが重要ですし、リラクゼーションやカウンセリングなども予防効果があると言われています。



(慶應義塾大学保健管理センター 有馬ふじ代  )