食事,運動,嗜好品などの生活習慣を修正することで高血圧の予防や改善が期待できます。生活習慣はひとつだけを集中して注意するよりも,組み合わせて行うことで効果が出てきます。これらの生活習慣の是正は,ほかの生活習慣病(糖尿病,脂質異常症など)の予防や改善にも有効です。
1.食生活
食塩摂取量は6g/日未満にします。塩分を摂り過ぎると体内に水分が蓄積し,血流量が増加し血圧が上昇します。野菜や果物(カリウムなどのミネラル), 多価不飽和脂肪酸を積極的に摂取しましょう。 飽和脂肪酸・コレステロールが多い食事は避けましょう。
【減塩食のコツ】
- 味付けに塩はふらない。塩や醤油,調味料はできるだけ別皿にする。
- 出汁,香辛料,香味野菜(ネギ,生姜等)やレモン汁等の果物の酸味を利用する。市販の調味料はレモンや出汁で半分程度に薄める。
- もともと塩分が多くコントロールしにくい,外食や加工品(練り物,ソーセージ,ハム類),すし飯,汁物,インスタント食品,麺類,漬物,菓子,パン類を控える。
- コンビニ等でテイクアウトする際には,塩分を確認してから購入する。
- よく噛んで食べ,過食しない。量を食べたい場合には,塩分はより少なくする。
2. 肥満の予防や改善
太り過ぎは血圧を上げ,心臓に負担をかけ,全身の動脈硬化を進めます。
3. 睡眠
毎日規則正しい生活を送り,休養を十分にとり疲れを残さないようにしましょう。過重労働・超過勤務・夜更かしは禁物です。
4. 運動
毎日30分以上または週180分以上の運動が望ましいですが,運動や労作の許される程度は,その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連します。治療中の場合は,医師にどの程度,運動しても良いかを,尋ねましょう。
5. 排泄
いきみの時間が長いと血圧が上がります。スムーズな便通を心掛けるよう普段から便秘を予防しましょう。
6. 節酒
アルコール量で男性20~30ml/日以下, 女性10~20ml/日以下にしましょう。目安としては,日本酒1合,ビール中瓶1本,焼酎半合,ウィスキー・ブランデーはダブルで1杯,ワインは2杯までです。
7. 禁煙
喫煙のほか間接喫煙(受動喫煙)も避けましょう。
8. ストレス
休憩時間や帰宅後にはリラックスする時間をつくり,気分やメンタルストレスのコントロールをしましょう。
9. 気温,入浴
暖かい所から急に寒い所へ出ると,血管が収縮し,血圧が上がります。急激な温度変化に気を付けてください。入浴も血圧の上昇や下降に関係します。ぬるめの風呂にしましょう(長湯は禁物)。