バランスの良い食事とは?
(What is 'a well-balanced meal'?)

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現在、新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される中で、大学生の皆さんも戸惑うことが多いと思います。特に新入生の皆さんの中には、初めての一人暮らしで、さらに戸惑っているという方もいるかもしれません。こんな今、免疫力をアップさせるためにも、またこれから先ずっと健康な学生生活を送るためにも、食事はとても大切です。そこで、改めて「バランスの良い食事」について考えてみようと思います。

バランスの良い食事の第1歩

まず、学校給食を思い出してみましょう。通常は、主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品(+果物)という組み合わせになっていると思います。主菜とは米飯やパン、麺類など主にエネルギー源になる料理、主菜とは肉、魚、大豆製品、卵など、主にたんぱく質を多く含む料理、副菜とは野菜、きのこ類、海藻類などを使ったビタミン・ミネラル(無機質)、食物繊維を多く含む料理のことです。1回の食事毎に、まず、この主食、主菜、副菜をそろえることを意識することは、バランスの良い食事を摂るための第1歩になります。こうした考え方に基づき、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかの目安をわかりやすくイラストで示した「食事バランスガイド」も是非参考にしてください。

食事バランスガイド

いろいろなものを食べよう

1回の食事で主食、主菜、副菜を揃えられていても、バランスの良い食事とならないことがあります。代表的な例は好き嫌いです。「ピーマンが嫌い」など1つの食材の好き嫌いだけでなく、例えば「同じものばかり食べる」というようなことも含まれます。食べるメニューが同じものばかりでローテーションしている、購入する食材や惣菜がほぼ決まっているというようなことはないでしょうか。「おかずを食べているから大丈夫」と極端に主食を減らしてしまったり、逆に「主食が特に好き」などの理由で、主菜・副菜の量が少なくなったりしていないでいでしょうか。このように食べるメニューが限られていたり、主食、主菜、副菜の量に大きな偏りがあったりすることで、特にビタミン、ミネラルなどの微量栄養素に偏りが出ることがあります。さらには、例えば、同じ主菜(主にたんぱく質を多く含む料理)でも、肉、魚、大豆製品、卵では含まれているビタミンやミネラルの種類や含まれる量が異なります。つまり、「いろいろな食材」をとることがバランスの良い食事につながります。1日の食事を総合的に考えて、「いろいろなものを食べる」意識を持つことも大切でしょう。

日本人の食事摂取基準

バランスの良い食事についてもっと専門的に知りたいという方には「日本人の食事摂取基準」というものがあります。厚生労働省が、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギーおよび栄養素の量の基準を定めたもので、5年毎に改定を行っており、現在、2020年版(最新版)が公開されています。難しい内容も含まれますが、バランスの良い食事についての理解を深めることができるでしょう。

日本人の食事摂取基準 2020年版


(慶應義塾大学保健管理センター 井ノ口美香子 )